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良いですか?
現代、昭和になってから生まれたあなたたちには縁遠い話かもしれません。
生まれたときから空気のように“平和”を享受しているのですからね。
ですが、しかし。
あなたたちの暮らしている“今”という時の“平和”の礎となった犠牲。それを忘れては、いけませんよ。
「もっとも……私は、“平和”でなくてもかまわないんですけどねぇ……」
天羅の歴史には、神宮家が深く関わっています。
神宮家が闇に隠れ、天羅の情勢を裏から操っていた時代がありました。
神宮家が分裂し、各々の傀儡政権を操作し、天羅全土で抗争を繰り広げた時代がありました。
神宮家が衰弱し、影響力を失っていた時代もありました。
神宮家の名の下に天羅全土が結集し“外敵”との激しい戦争がありました。
“外敵”との痛み分けの後、講和を結び、復興に力を入れた時代がありました。
そして今。
復興も一段落つき、“平和”が訪れたのです。
1000年近くにおよぶ鎖国の果てに、“外国”との交流もわずかですが、行われるようになりました。
これからはきっと、もっと広い“世界”に飛び出してゆく天羅人が増えてゆくことでしょう。
そのときに。
「己の歴史をハッキリと認識し、“世界”に誇るべき“いくさ人”としての誇りを……あー。まぁ、そうゆうことです」
時代区分 | 記事 |
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戦国時代 |
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南北朝時代 |
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幕府統治時代 |
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《幕末》 |
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明治時代 |
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大正時代 |
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昭和時代 |
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平成時代 |
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明治時代、神宮家との(微妙に一方的な)条約を結び、少数民族として認定され、人権を認められた。
この条約により“オニ”という呼称は差別用語として公文書に使用されなくなる。
昭和時代に入り、心珠の保有も違法になった。
ル・ティラェは、原則的“特別公務員”として登録され、国有山林を“居留区”とし、公的に管理を任される。
また、ディ・ゴなど、天羅先住民のテクノロジーの技師としての役目もル・ティラェが負っている。
ただし。
大正時代の動乱で、ディ・ゴの機能は大幅に低下し、紗の放出量も戦国時代と比べ、年間15%にまで減っている。
紗を介した〈神通力〉の使用も大いに限定されたモノになり、“居留区”外での実用的な効果が発揮できなくなっている。
“居留区”は、ディ・ゴの影響力が強い地域に設定され、その周囲の山林の紗濃度が比較的高いため、〈神通力〉は、普通に生活する分には支障はない。
明治、大正、昭和の間、経済的な活動はほとんどなく、一部の部族が林業や畜産業に関わっていただけである。これは“備蓄”という概念の薄い民族的特性を原因とする現象だと思われる。
だが、平成時代に入ってから、“居留地”に観光客を呼び込み、観光業をはじめる部族が現れた。
昭和時代、“外国”よりもたらされた新技術〈科学〉による遺伝子改造技術により、『ル・ティラェ→ヒト』への手術が可能になった。
この手術は、『“居留地”に於ける義務教育を修了した満年齢16歳以下の希望者』のみに行われる。
希望者の割合は、年間1%程度。
年齢制限は技術的な問題で、制限を過ぎたル・ティラェ(と、遺伝的形質が発現した者)に手術を行うことができない。
心珠の違法化により、『密猟』は近代以前よりも(密猟者/ル・ティラェともに)危険なものとなった。
ル・ティラェは“居留区”に住み、そこは彼らの領域である。公的な警備隊も配置されているし、彼ら自身が優秀なる戦士である。中には、大正動乱を生き延び、引退した「鬼サムライ」もいる場合がある。
なにより、彼らは“居留区”から出ることはまれである。『“天の力”が使えないような場所に行きたくない』というのは、民族的な心理ネットワークの存在している彼らならではの言い分ではなかろうか。
一方、戦国時代から続く混血化で、区外に“取り替え子”が生まれる率が年々上昇している。
“取り替え子”にもパターンがあるが、『角の有無』と『心珠の有無』が問題となる。
あくまで噂なのだが、宮内庁の極秘セクションとして『“取り替え子”の発見・保護プログラム』を執行する部署があるという。
大正動乱での紗の減少により、大抵の陰陽師は式を実体化させることができなくなった。
昭和時代には陰陽技術は公的な資格として扱われることになり、全ての陰陽師は登録が義務づけられた。
もっとも、モグリの陰陽師も相当数存在していると考えられている。(引用『教育白書 昭和59年版』文部省発行)
現在、腕の立つ(才能のある)陰陽師は神宮家の元、技術系の各省庁に研究員として出向していたり、“居留区”で『伝統技術』の伝承を行っている。
また、ごく一部は都市部に潜伏し、己の欲求のまま非人道的な研究を追求すべく、裏社会への技術提供などによって食いつないでいる。
あいかわらず、生き血には紗が多く含まれているため、式を打つために生け贄を使用する陰陽師もいる。
大抵は実験動物扱いの小動物を使うのだが、それさえも動物愛護団体の抗議対象になっていて、頭の痛いところ。
最近の陰陽師は“科学者”との二足ワラジなのが一般的である。
大正時代以来、紗の減少により、多くの紗を必要とする大がかりな“サムライ”が起動しにくくなっている。
戦国時代に比べ、安定性が増すとともに、サムライの大規模化が進められた大正時代のサムライは、サムライ変化に必要な量の紗のある場所、激戦区に集中投入されることになった。
このことにより、大正動乱中、サムライたちは、その紅く染まった姿、多くの生贄が血を流してから現れることから、天羅の歩兵たちからは『死神』と呼ばれ、“外敵”には『Blood Sucker』と呼ばれた。
戦後、昭和時代に入ってから、『ル・ティラェ→ヒト』の改造技術の転用により“サムライ”及び珠の摘出手術が安全に行えるようになった。
手術を受けたサムライは200万人に及び、如何にサムライ化技術が天羅全土に広まっていたかを示している。
現在、政府が把握しているサムライは、天羅防衛軍のサムライ隊隊員や、歩兵科の隊長、航空科のパイロットなどである。
用途としては、サムライ隊以外は『簡易な人体強化』である。電子機器による感覚や、機械自体に対する反応速度の上昇を見込んだ“サムライ”を埋めている。
サムライ隊の“サムライ”は、大正動乱から続く、サムライのみで構成された部隊である。用途も昔から続く『激戦地に対する遊撃部隊』であり、埋められている“サムライ”も大規模なものである。
近年、都市部に潜伏した陰陽師による犯罪結社への“サムライ”技術の流出が表面化しだしている。
犯罪形態が激化することを予見している警視庁は、機動隊へのサムライ配備を進めているという。
ちなみに、“元”サムライの個人情報から『サムライであった事実』は抹消されている。
明鏡は、大正動乱でネットワークが崩壊したときに、ほとんどが破壊され、神宮家が回収した数は67枚であったという。
そのうち2枚が上野国立博物館に一般公開されている。
のこり65枚中、30枚が神宮家直轄の神社に奉納されている。
のこり35枚中、12枚は天羅防衛軍が保有している。
のこり23枚中、3枚が、宮内庁、国会議事堂、大蔵省に設置されている。
のこり20枚を、神宮家が封印・保管している。
昭和時代以降、新しく製造された明鏡は“無い”ことになっている。
大正動乱中に機面鏡は、大正時代以前製造の機面鏡に重大なセキュリティホールがあることを確認され、破棄された。
現在も少数生産されており、天羅防衛軍や一部の省庁に供されている。
生産・管理は宮内庁の一部署が受け持っている。
現在、機面鏡を無許可で保有することは違法である。
平成時代に入り、機面鏡のバグによる『3000年問題』が新聞等のマスコミをにぎわせた。
心珠は全て、身元が分かる限り、血縁者や部族の者に返還され、それらは故郷の山に葬られた。
すでに滅亡した部族、身元の判明しない心珠は、供養の上、神来山記念館のそばにある『ル・ティラェ共同墓地』に祀られている。
埋葬された心珠は、すでに50年が経過し、使用できない状況になっていると思われる。
もちろん、心珠の保有は違法。
昭和以降、心珠の供給手段は、ル・ティラェとの相談により『提供者登録制』になっている。
ただし、その制度で心珠を供給したル・ティラェはまだ、いない。
動力源が心珠のヨロイは、ほとんどが破棄された。
残留思念となったル・ティラェが“志願兵”としての意志を表明し、天羅防衛軍に属しているヨロイは、存在する。
機面鏡を利用した量産型は、動力をヒイロ金バッテリーによる超伝導モーターに換装して製造されている。
“新型量産機”の発表は、経済新聞の小欄やヨロイ専門誌、ミリタリー雑誌に掲載される程度。
その“新型”というのも、老朽化した機体のレストアだったりするのは、マニアの常識。
明鏡機は8体現存している。その全てが大正動乱を生き延びたエース機であり、今はヨロイ兵科訓練校の資料館に展示されている。
民間人が見ることのできる機会は、年1回の公開日のみ。
大正時代以来、紗の減少とともに、ヒイロ金の産出量が減り、閉山する珠鉱山が相次いだ。
現在は、ヒイロ金の『気/電子の伝導率の高さ』という特性から、霊力回路や電子回路へ使用されているが、ハイエンドな部品のみ。普通は、もっと安い“金(Au)”を使う。
流通量は年間数トンといったところである。
ヒイロ金の加工品“珠”は、霊力回路のアンプとして利用されているが、霊力回路自体需要が少ないため、一般には『滅茶苦茶高価な宝石』程度の認識。
表向き、弾薬としての使用はされていない。……もったいないし。
パチンコ玉くらいで、一つあたり百〜数百万円。
大正動乱に生き残った金剛機は戦後、そのほとんどが“成仏”を望み、その明鏡/機面鏡は神宮家が回収した。
もっとも、機面鏡を用いた“量産機”は、セキュリティーホールをつつかれて破壊された者が多く、生存者はまれであったといわれる。
現在、当時のまま存在しているのは、天羅防衛軍特殊部隊に志願兵として在籍している2名だけである。
これは“公的に”存在している金剛機である。
また、機面鏡を用いた“量産機”は『重傷者用擬体』等の用途で少数生産されている。
もちろん、擬体として使うために、外見はヒトに偽装してある。
最後までご苦労様。
あっちこっちに話が飛びながらで一部わかりにくいところがあったかもしれないですね。
まぁ、一般には知られていない/興味を持たれない事柄が多いので、あまり気にする必要はありません。