刃士    【背景】  【解説】  【前頁へ戻る】

君の望みはただ一つ。シノビを斬ること。
そのためだけに心を捨て、刃となった。


刃士 Jin-shi
能力値
【体力】 活力12 87/108
【敏捷】10 霊力16 宿業35/50
【知覚】
負傷
ゲージ
軽傷重傷致命死亡
【知力】
【心力】
【共感】
◆基本技能
 上:〈白兵戦闘〉〈忍術破り〉〈応急手当〉
 中:〈射撃戦闘〉〈隠身〉
 初:〈回避〉〈作法〉
◆〈忍術破り〉について
「刃士」専用の専門技能です。資料室をご参照ください。
◆選択技能(一般・専門、問わず)
 《中級》×2
 《初級》×2
◆因縁
 〈目的:忍を全て滅ぼす(上級)〉
◆所持品
 《珠》15個 武家風の恰好 旅をするに最低限な装備 編み笠 わらじ
 各地の忍からの恨み 忍に対するパラノイア
◆武装
 珠刀 +5 ×3 − 12(装填済み)
 脇差し +2 − − −

【背景】

 こんなはずではなかった。

 ある年の戦で主君の命を救った。
 助かったはずの主君は、うれしそうではなかった。

 褒美として領地を授かった。山奥の、隠れ里。
 “新しい血”として送り込まれたことに君は気づいていなかった。
 村長の娘を娶り、祝言を挙げた。

 やがて、この村が、忍の村だということを知った。
 やっと、主君に陥れられたことに気づいた。

 村から出て行くことを村長に言ったとき、
 死なずにこの村から出ることができないことを知った。
 だから、斬った。
 村人――忍たちが出てきた。得物を携えて。
 だから斬った。
 手当たり次第。女子供もいた。
 もっとも、この村には子供は少なかったが。
 その中に、妻もいた。
 “全てに裏切られた”。
 ためらわず、忍を斬った。

 山に逃げ、傷を治し、また村へ行き、斬った。
 幾度目かの治療の間に、主君も自分を裏切っていたことに、
 気づいた。

 都へもどり、主君を斬った。
 その間にも村の者たちからの追撃があったが、斬った。
 主君を斬るときも、守り手の忍がいたが、それも斬った。

 生きていることに意味はなかったが、忍は自分を殺しに来る。
 忍が憎かった。自分を裏切ったから。
 だから斬った。

 今も、忍を斬っている。
 “憎い”というのがどんなことなのか忘れた。
 必要なかったから。
 忍は、斬る。
 これが、いまの、自分。


【解説】

 なにぶん心が弱い人なので、「新しい生きる意味」を探そうとしていません。
 過去に捕らわれ、過去にすがり、過去の因縁に流されつづけています。
 このままの生き方で行けば「忍探知機」として生き、野良犬のように殺されて死ぬでしょう。
 「それはイヤだ」と思うことも、現状では、ないでしょう。

 ただし、PCならば違います。
 他のPCとのつながりによって、変わるチャンスはあるでしょう。
 『意味のある生き方』『意味のある死に方』ができるでしょう。
 というより、そうしてください。
 それができないのならば、いつまでも、ただの『心なき刃』です。

 ちなみに、二線級戦闘アーキです。……「サムライ」の期待値を大幅に上回りますが、“活力”や“負傷ゲージ”の総量。使用できる気合の量で、タイ張るにはつらいかと。

 えーと、それから、いきなり背景の一部の通行人を切ったときは「忍だ」と証明してあげればOK(笑) 重要なNPCにやっても、多分ヤバイだけだとおもうので注意。

 更正の道は【共感】を成長させて、因縁を削って行くことですね。

 導入は簡単。忍が関連する依頼ならバッチリです。そのさい、味方の中に「シノビ」がいてもOK。因縁は〈感情:〜〉ではなく〈目的:〜〉ですので、仕事のあとに個人的にやるでしょう。『使えるモノは有効に使う』というのは、極めて理性的な判断でしょ?
 そのさい、味方のPC/NPCの忍は、ハートフルだったり、規格外品だったりするとベターかな。


【推奨イメージ】

  1. 20代後半
  2. やせぎすの身体に爛々と光る細い目
  3. 凍りつくような殺気
  4. 無口。人と関わろうとしないような態度

【推奨選択技能】

 〈帝王学〉
 〈操気術〉(?)
 〈観察〉(?)


【非推奨選択技能】

 〈早業〉
 〈意志力〉←ちょっと合わないかも
 〈接合〉
 《術法系》←特に〈法術〉
 〈事情通〉(?)←知っていても言わない可能性アリ。


【他のアーキタイプとの関わり】

from「若武者」→人殺しへの嫌悪
from「少年」→強さへのあこがれ
from「ヨロイ狩り」→変なヤツ
from「サムライ :聞いたことがある
from「傀儡」→哀しい人
from「戦闘用傀儡」→彼も「道具」なんだろうか?
from「シノビ」→話には聞いたことがある。が、昔の話だ。

to「シノビ」→殲滅対象。


【参考】

 柴錬太郎『剣鬼』「刃士丹波」より。(題名間違ってるかも)


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